漫画で100万部突破のニュースを目にすることがありますが、実際にどのくらいすごいことなのでしょうか?
本記事では、漫画における100万部突破の意味や印税収入、ヒット作品の特徴などを解説していきます。

さらに、実際に100万部を突破した人気作品や最新のアニメ化作品についても紹介していきます。
漫画で100万部突破ってどのくらいすごいの?結論|結構すごいです!





結論から言えば漫画で100万部を突破するのは極めて珍しく、大変な快挙と言えます。
とある統計によると日本で刊行されている漫画のうち、100万部を突破する作品は全体の0.1%にも満たないとされています。
引用:Yahoo知恵袋
漫画は何万部でヒットって言われるの?





一般的に、漫画単行本の初版発行部数は約3万部と言われています。
その中で、以下のような目安でヒット作品かどうかが判断されます。
発行部数 | ヒットレベル |
---|---|
10万部 | 小ヒット作品 |
30万部 | 中ヒット作品 |
50万部 | 大ヒット作品 |
100万部 | メガヒット作品 |
この数字からも分かる通り、100万部という数字は通常の10倍以上の販売数を記録する必要があります。
さらに近年では電子書籍の普及により紙の単行本だけでなく、電子版の売り上げも合算して判断されるようになってきました。
出版不況と言われる昨今では新刊の発行部数自体も減少傾向にあり、100万部突破の快挙はより一層価値のある成果となっています。
漫画が100万部売れたらいくら印税がもらえるの?





漫画が100万部売れた場合、約5,000万円の印税を受け取ることになります。
これは一般的な漫画の単行本の価格が500円程度で、印税率が10%と仮定した場合の計算結果です。
具体的な計算方法は以下の通りです。
- 1冊あたりの印税:500円 × 10% = 50円
- 100万部の印税:50円 × 1,000,000 = 5,000万円
ただし、この金額は源泉所得税が差し引かれる前の金額です。
印税額が100万円を超える場合、20.42%の源泉所得税が課せられることになります。
そのため、実際に手元に残る金額は以下のようになるでしょう。
- 源泉所得税:5,000万円 × 20.42% ≈ 1,021万円
- 手取り金額:5,000万円 – 1,021万円 ≈ 3,979万円
つまり100万部売れた漫画の印税として、税引き後で約3,979万円を受け取ることになります。
なお印税の支払い方法には、発行部数に応じて支払われるタイプと実際の販売部数に応じて支払われるタイプがあります。
契約内容によって異なるため、具体的な条件は出版社との取り決めによるでしょう。
100万部売れる漫画の特徴とは?ヒットする漫画の共通点





100万部を突破するような大ヒット漫画には、いくつかの共通する特徴があります。
以下では出版社の編集者や漫画評論家の意見をもとに、ヒット作品に共通する6つの要素を解説していきます。
読者を魅了するキャラクター設定



大ヒット漫画の最も重要な要素の一つが、魅力的なキャラクター設定。
読者が共感できる主人公や印象的な個性を持つサブキャラクターの存在が、作品の人気を大きく左右します。
例えば『ONE PIECE』のルフィは「海賊王になる」という明確な目標を持ち、仲間との絆を大切にする魅力的な性格で多くの読者の心を掴んでいます。
『鬼滅の刃』の竈門炭治郎も、家族への深い愛情と強い意志を持つキャラクターとして多くのファンを獲得しています。
分かりやすく、かつ斬新なストーリー設定
100万部を突破する作品には「分かりやすさ」と「斬新さ」という、一見相反する要素がバランスよく組み込まれています。



ストーリーの基本設定は誰でも理解できる単純なものである一方で、展開に独創性があることが重要。
例えば『呪術廻戦』は「呪いと戦う」という分かりやすい設定でありながら、独特な術式や世界観で読者を魅了しています。
エンターテインメント性と作品の深さを両立させることで、幅広い層の読者獲得につながるでしょう。
他の作品と差別化できる画力や絵のスタイル



漫画という視覚的なメディアにおいて、作品の「見た目」は極めて重要な要素。
100万部を突破する作品の多くは、独自の画風や優れた画力を持っています。
例えば『スラムダンク』の井上雄彦氏はバスケットボールの動きを迫力ある絵で表現し、スポーツ漫画の新境地を開きました。
『チェンソーマン』の藤本タツキ氏も、独特な絵柄とダイナミックな演出で注目を集めています。
世代や時代のニーズに合ったテーマ設定
100万部突破作品には、その時代の社会情勢や読者のニーズを反映したテーマ設定が見られます。



現代の価値観や課題に寄り添いながら、普遍的なメッセージも込められているのが特徴です。
『SPY×FAMILY』は「家族」という普遍的なテーマを扱いながら、現代的な価値観やユーモアを織り交ぜることで人気を獲得しました。
『推しの子』も現代のエンターテインメント業界を題材に、SNS時代ならではの問題を描いています。
SNSや口コミで拡散されやすいか
現代の漫画がヒットする要因として、SNSでの話題性は無視できない要素となっています。
作品に含まれる「バズる要素」が、売り上げに大きな影響を与えることは間違いないでしょう。



以下がSNSで拡散されやすい要素となるでしょう。
- 印象的な名セリフやシーン
- ミーム化しやすいコマや展開
- 考察が楽しめる伏線
- ファンアートが描きたくなるキャラクター
- ネタバレ厳禁の衝撃的な展開
『鬼滅の刃』は「全集中」などの印象的なセリフや美しい作画のシーンがSNSで頻繁に共有され、作品の認知度向上に貢献しました。
読者を飽きさせない作品の更新頻度



連載作品として成功するためには適切な更新頻度を保ちながら、クオリティを維持することが重要。
読者の期待に応え続けることで、長期的な支持を獲得できます。
例えば『ONE PIECE』は25年以上にわたって高い人気を維持していますが、これは安定した連載と質の高い物語展開があってこそ実現できた快挙と言えるでしょう。
100万部売れている大人気ヒット漫画一覧


ここでは、実際に100万部を突破した人気漫画を発行部数の多い順に紹介していきます。



各作品の特徴や人気の理由についても解説していきます。
ワンピース|発行部数5億部突破


『ONE PIECE』は1997年の連載開始以来、世界的な人気を誇る海賊漫画。
「海賊王」という夢を追いかける少年モンキー・D・ルフィの冒険を描いた本作は、単一作者による漫画シリーズとして世界最大の発行部数を記録しています。
特筆すべきは25年以上の連載期間中、常に週刊少年ジャンプの人気上位をキープし続けている点。
アニメや映画などのメディアミックス展開も極めて成功しており、まさに「国民的漫画」と呼ぶにふさわしい作品でしょう。
名探偵コナン|発行部数2億7000万部突破


1994年から連載が続く『名探偵コナン』は、主人公の工藤新一が謎の組織によって子どもの姿にされてしまう中で、様々な事件を解決していく推理漫画。
30年近い連載期間中、推理漫画としての本質を保ちながら恋愛要素や組織との対決など、様々な要素を巧みに織り交ぜている点も長期的な人気の理由となっています。
ドラゴンボール|発行部数2億6000万部突破


1984年から1995年まで連載された『ドラゴンボール』は、現代の漫画界に多大な影響を与えた作品です。
主人公、孫悟空の成長と戦いを描いた本作は少年漫画の王道を確立したと言われています。
特に敵キャラクターが味方になるという展開や戦闘力の概念など本作で確立された要素は、その後の多くの漫画作品に影響を与えました。
NARUTO|発行部数2億5000万部突破


1999年から2014年まで連載された『NARUTO』は、忍者の少年・うずまきナルトの成長と活躍を描いた物語。
日本の伝統的な忍者の概念を現代的にアレンジし、世界的な人気を獲得しました。
特に「忍道」という概念を軸にした物語展開は単なるバトル漫画を超えた深みを作品に与え、幅広い年齢層からの支持を集めることに成功しています。
スラムダンク|発行部数1億8500万部突破


1990年から1996年まで連載された『SLAM DUNK』は、バスケットボール漫画の金字塔として知られています。
不良少年・桜木花道がバスケットボールと出会い成長していく姿を描いた本作は、スポーツ漫画の新境地を開きました。
2023年に公開された劇場版アニメも大ヒットを記録し、世代を超えた人気を博しています。
鬼滅の刃|発行部数1億5000万部突破


2016年から2020年まで連載された『鬼滅の刃』は、近年最大のヒット作として知られています。
竈門炭治郎が鬼となった妹を人間に戻すため奮闘する物語は、SNS時代における漫画のヒットの新たな形を示しました。
特に2020年の劇場版アニメ『無限列車編』の大ヒットは、コロナ禍における エンターテインメントの可能性を示した象徴的な出来事となりました。
進撃の巨人|発行部数1億4000万部突破


2009年から2021年まで連載された『進撃の巨人』は壁に囲まれた世界で巨人と戦う人類の物語を描き、世界的な社会現象となりました。
特に単なるサバイバルホラーを超えて戦争や自由、差別といった深いテーマを扱った点が、世界中の読者の心を掴みました。
呪術廻戦|発行部数9000万部突破


2018年から2024年まで連載していた『呪術廻戦』は、現代の呪術師たちの戦いを描く作品。
独特な世界観と斬新な戦闘描写で、新世代を代表する人気作品となっています。
特にアニメ化以降、若い世代を中心に爆発的な人気を獲得しグッズやコラボレーション展開も多数実施されています。
チェンソーマン|発行部数2300万部突破


2018年から連載が開始された『チェンソーマン』は主人公のデンジが「チェーンソーの悪魔」と融合し、悪魔ハンターとして活動する姿を描いた作品。
従来の少年漫画の常識を覆す展開と実験的な表現で、国内外で高い評価を得ています。
特に海外での人気が高く世界各国で翻訳されるなど、グローバルな作品として注目を集めています。
スパイファミリー|発行部数2100万部突破


『SPY×FAMILY』はスパイのロイド、暗殺者のヨル、そして超能力者のアーニャという異なる秘密を持つ家族が、世界の平和のために奮闘するスパイコメディ。
2019年の連載開始以来、心温まる家族愛とスリリングな展開で多くのファンを魅了しています。
特に家族愛をベースにした物語展開は、世代を超えた共感を呼んでいます。
推しの子|発行部数900万部突破


2020年から2024年まで連載した『【推しの子】』は、芸能界を舞台にアイドルの闇と光、そしてエンターテインメントの本質を描いた作品。
アイドルファンの医師が自身の「推し」の子として転生するという斬新な設定で、新しいジャンルを確立しました。
特にアニメ化後はOPテーマの大ヒットも相まって、社会現象とも言える人気を獲得しました。
100万部突破した漫画で最近アニメ化が決定した作品


ここでは100万部を突破し、最近になってアニメ化が決定した注目作品を紹介します。



これらの作品は、今後さらなる人気の拡大が期待されています。
多聞くん今どっち!?


木下うたげは人気アイドルグループF/ACE(フェイス)のメンバー、福原多聞のファンである高校生。
ある日、ハウスキーピングのアルバイトで多聞の家を訪れ彼の意外な素顔に驚きます。
多聞の本性は、アイドルとしての華やかな姿とは正反対の内向的な性格でした。
うたげは多聞のありのままの姿を受け入れ、彼の自己肯定感を高めるサポートを始めます。
しかし多聞の素の姿にも魅力を感じ始め、複雑な感情に悩まされることに。
この作品は、アイドルとファンの関係性を新しい視点で描いたラブコメディです。
エリスの聖杯


「エリスの聖杯」は地味な子爵令嬢コンスタンス・グレイル(コニー)と、かつての悪女スカーレットの亡霊が主人公のサスペンスファンタジー。
コニーは意地悪な令嬢の嫌がらせから窮地に陥りますが、スカーレットに救われます。
その見返りとして、スカーレットを処刑台に送った犯人を探すことに。
物語は潜入捜査や偽装婚約、大貴族との対決など予想外の展開を見せ、徐々に巨大な陰謀が明らかになっていきます。
2024年10月にアニメ化が決定し、コニー役を市ノ瀬加那が演じることが発表されました。
Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。


「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」は、赤魔道士ユークが主人公の冒険ファンタジー作品。
5年間所属していたAランクパーティ「サンダーパイク」での不遇な扱いに耐えかね、ユークはパーティを離脱することに。
その後、元教え子の女の子たちと新たなパーティ「クローバー」を結成し迷宮攻略に挑みます。
ユークの持つ規格外の魔法とスキルが次第に明らかになり、パーティの実力が開花。
「クローバー」は冒険配信を通じて名を馳せ、最難関迷宮「無色の闇」の踏破を目指すことになります。
まとめ|100万部突破は全体の漫画のうち0.1%未満





これまで見てきたように、漫画で100万部を突破することは極めて稀少な快挙ということが理解できたでしょうか?
100万部突破という快挙は作者の才能はもちろん、出版社のマーケティング力、そして何より読者からの圧倒的な支持があって初めて達成できる目標です。
今後も新たな100万部突破作品の誕生に期待が高まりますね。
デジタル化が進む現代においても漫画という文化の魅力は少しも衰えることなく、むしろ新たな可能性を開拓し続けています。
これからも読者の心を掴む素晴らしい作品が生まれ続けることを、漫画ファンとして期待しましょう!
コメント